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東京高等裁判所 平成元年(ネ)2921号 判決 1990年1月31日

東京都杉並区

控訴人

野島弘光

右訴訟代理人弁護士

小幡晃三

東京都千代田区大手町1丁目2番1号

被控訴人

三井物産株式会社

右代表者代表取締役

江尻宏一郎

右訴訟代理人弁護士

川津裕司

西本邦男

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  控訴の趣旨

1  原判決を取消す。

2(一)  主位的請求

被控訴人(存続会社)と物産不動産株式会社(解散会社、解散時の本店は東京都港区西新橋1丁目4番14号)との間に昭和62年11月25日になされた合併は無効とする。

(二)  予備的請求

被控訴人は、前項の合併における被控訴人と物産不動産株式会社の合併比率を1対4に変更し、物産不動産株式会社の株主に交付した被控訴人の株式4,500万株を回収廃棄せよ。

3  訴訟費用は第1、2審を通じ被控訴人の負担とする。

二  控訴の趣旨に対する答弁

主文第1項と同旨

第二当事者の主張及び証拠

原判決事実摘示第2、第3及び当審証拠目録記載のとおりである。ただし、次のとおり訂正する。

1  原判決2枚目裏13行目の「と本件」から3枚目表1行目の「事由と」までを削除する。

2  同3枚目表10行目から12行目までを削除する。

3  同3枚目表13行目の「(三)」を「(二)」と改める。

4  同4枚目表2行目から5行目までを削除する。

5  同4枚目表6行目の「り、」から同行目の末尾までを削除する。

6  同4枚目表13行目を削除する。

7  同4枚目裏1行目の冒頭の「4」を「3」と、「(三)」を「(二)」と改める。

8  同4枚目裏11行目を削除する。

理由

一  当裁判所は、被控訴人の請求はいずれも棄却すべきものと判断する。その理由は原判決の理由と同一であるからこれを引用する(当審において提出された証拠を加えても右判断を左右しない。)。ただし、次のとおり訂正する。

1  原判決5枚目表6行目の「と本件承認決議の取消事由と」を削除する。

2  同5枚目表8行目の「及び(二)」を削除する。

3  同6枚目表11行目の「さらに、」から13行目の「主張するが、」までを次のとおり改める。

「なお、控訴人は、商法408条ノ2の趣旨に鑑みれば、本件では、増資や資産評価替え後の各合併会社の貸借対照表の備置・公示は不可欠であるにもかかわらず、被控訴人はこれを怠ったのみならず、著しく不公正な合併内容を秘匿したため、大多数の株主は本件合併契約の真の内容を知ることができないままに合併決議に臨まなければならなかったのであるから、本件合併決議は無効である旨主張するかのようであるが、」

4  同6枚目裏9行目の「ないが、」の次に、「被控訴人においてこれを秘匿して株主に周知させなかったことを認めるに足りる証拠はなく、また、」を加える。

5  同7枚目表3行目の「及び(四)」を削除する。

6  同7枚目表9行目の「次に、」から12行目の「であるが、」までを次のとおり改める。

「なお、控訴人は、商法408条の3による株式買取請求権制度では、合併そのものには反対ではないが、著しく不公正な合併比率のみに反対である株主の利益を保護することができないから、合併比率が著しく不公正な場合には、当該合併は無効であると解すべきところ、本件合併比率は右の場合に当たる著しく不公正なものであるから、本件合併は無効である旨を主張するかのようである。しかし、仮に合併比率が著しく不公正な場合には、それが合併無効事由になるとの控訴人の主張を前提にしても、」

7  同7枚目裏11行目から8枚目表12行目の「かえって」までを削除する。

8  同8枚目表12行目の「15」の次に「、第10号証」を加える。

9  同8枚目裏9行目の「的」を削除する。

10  同9枚目裏5行目から7行目までを削除する。

二  以上の理由により、原判決は相当であるから、民訴法384条により、本件控訴を棄却する。

訴訟費用の負担につき、同法95条、89条適用。

(裁判長裁判官 武藤春光 裁判官 吉原耕平 裁判官 池田亮一)

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